| 天皇制の心理学的基礎 注釈 トップページへ | |
| 1 | かつて、之山文庫だより(常葉短大図書館の出版物)の推薦図書の欄に、笠原英彦『歴代天皇総覧』を取り上げた。その一部を以下に引用する。 二十世紀に最も印象深い人物は誰かと問われれば、私は躊躇なく昭和天皇を挙げる。昭和天皇が時代を代表しておられた、というのではない。むしろ逆で、陛下は、二十世紀的なものの対極にあられたからである。 欲望の肯定が、二十世紀を特徴づけている。宗教や道徳の軛から脱して、時代は明るく輝いて見える。しかしそれは、目に見える成功以外に価値を見いだせぬ、矮小な精神の弥漫と表裏をなしていた。指導者達は、必ず成功者を演じねばならなかった。勝利と繁栄の書き割りを背に、彼等は国民に微笑みかける。書き割りが無くなれば、退場するしかない。 奇妙なことに、昭和天皇が最も国民に近づかれたのは、国破れ自らの権威が最も傷つけられた時であった。国民が、天皇を最初に間近く目にしたのは、大戦直後の焼け跡の中だったのだ。当時の外国の報道は、「人々は、凱旋将軍のように、敗戦の君主を迎えた」と伝えている。ここに生まれた陛下と国民の紐帯こそ、世界史の奇跡であったと、私は思う。 |
| 2 | 延元四年執筆。興国四年修訂。 |
| 3 | 國弘正雄訳『ザ・ジャパニーズ』昭和五十四年六月 文芸春秋社 二百五十二頁。 |
| 4 | 岩田慶治『東南アジアの少数民族』昭和四十六年二月 日本放送出版協会 三十五頁。 |
| 5 | ジョイス・C・レブラ著、村田克己他訳『東南アジアの解放と日本の遺産』昭和五十六年十二月 秀英書房 百九十~百九十七頁。 |
| 6 | 林健太郎編『ドイツ史(新版)』平城照介「第二章第二節 叙任権闘争」昭和五十二年三月 山川出版社 百二頁。 |
| 7 | 例えば、エジプト古王国時代に於て王ファラオは現世では神ホールス、彼岸では神オシリスとして支配するものとされていた。亦、古王国第五王朝以後は太陽神ラーの子とされたこともあった。 |
| 8 | 清水一郎、『別冊1億人の昭和史・昭和天皇史』昭和五十五年十二月 毎日新聞社 三百五頁。 |
| 9 | 岩間徹編『ロシア史』倉持俊一「第七章第三節 ストルイピン時代」昭和五十四年十二月 山川出版社 四百八頁。 |
| 10 | モハマド・レザ・パーレビ著、横山三四郎訳『私は間違っていたのかー歴史への証言』昭和五十五年六月 講談社「訳者あとがき」参照。 |
| 11 | 例えば、『朝日新聞』昭和六十一年四月七日付朝刊に発表された世論調査結果では、天皇制についての質問に対し、「今と同じ象徴でよい」が八十四%、「権威を今より高める方がよい」が四%、「廃止する方がよい」が九%、「その他・答えない」が三%となっている。 |
| 12 | エドガー・ライス・バローズ『火星のプリンセス』一九一七年、に登場する火星上の帝国。ヒロイン、デジャー・ソリスはこの帝国の王女として設定されている。 |
| 13 | アイザック・アシモフ『銀河帝国の興亡』一九五一年、に登場する銀河系宇宙を支配する帝国。尚、この物語には、他にも幾つかの王国が登場する。 |
| 14 | 手塚治虫『リボンの騎士』昭和二十八年一月~昭和三十一年一月「少女クラブ」連載、に登場する王国。主人公サファイヤはこの国の王女。物語は王位継承を巡る争いを中心に展開する。 |
| 15 | 監督松本零士『宇宙戦艦ヤマト』昭和四十九年十月~五十年三月 読売テレビ放映、に登場する女王国家。尚、テレビ・シリーズは昭和五十六年四月まで続き、他に劇場用作品も制作された。 |
| 16 | ファミリー・コンピュータ・ゲーム『ドラゴンクエストⅡ』昭和六十二年 エニックス社に登場する王国。プレイヤーは、この国の王子となってゲームを進めて行く。 |
| 17 | もちろん、この全てに於て王、もしくは皇位継承者は善人ではない。しかし、善人である場合が極めて多い。 |
| 18 | 昭和二十五年十一月~二十九年四月「漫画少年」連載。 |
| 19 | 「べつに帝国主義とは関係ない。ところが、またもやこれが発表されると、文字にこだわる批評家や左翼の人から、手紙でこっぴどくつるし上げられた。」(手塚治虫『ぼくはマンガ家』昭和四十四年五月 毎日新聞社 百二十九頁)。 |
| 20 | キング・ヴィドア監督。一九五九年、ユナイト。 |
| 21 | ジョゼフ・マーキンウィッツ監督。一九六三年、二十世紀フォックス。 |
| 22 | アンソニー・マン監督。一九六四年、コロムビア。 |
| 23 | ウィリアム・ワイラー監督。一九五三年、パラマウント。 |
| 24 | ローレンス・オリヴィエ監督。一九五七年、ワーナー。 |
| 25 | ジョージ・ルーカス監督。シリーズ第一作は一九七七年、二十世紀フォックス。 |
| 26 | (注27)のテキスト、二百四十七頁。 |
| 27 | 一六九〇年刊。尚、テキストは、昭和四十三年十一月、鵜飼信成訳、岩波文庫。 |
| 28 | 前掲書、八頁。 |
| 29 | 前掲書、百七十二~百七十三頁。 |
| 30 | 一七七六年刊。尚、テキストは、昭和五十一年四月、小松春雄訳、岩波文庫。 |
| 31 | 前掲書、二十八頁。 |
| 32 | 岩佐正校注『神皇正統記』昭和五十年十一月 岩波文庫 「解説」二百六十六~二百六十九頁、佐藤進一『日本の歴史』9昭和四十年十月中央公論社二百三十一~二百三十三頁、等参照。 |
| 33 | 『古事記伝』寛政十年成立 所収。尚、宣長による自注部分は削除して引用した。 |
| 34 | スピノザ『国家論』。昭和五十一年八月、畠中尚志訳、岩波文庫(改版)、六十四~六十五頁。 |
| 35 | 前掲『市民政府論』二百四十三~二百四十四頁。 |
| 36 | 戦争に敗れて臣下となるという場合に於ても、このことは当てはまる。敗者は、全てを収奪されるべき所を、一定の所領の安堵を得る等の点で、利益の享受者なのである。 |
| 37 | 韓嬰撰『韓詩外伝』韓代。 |
| 38 | 三村永忠『有斐録』寛延二年序。 |
| 39 | 『聖教要録』寛文五年十月序。尚、テキストは「日本の思想17」昭和四十五年九月筑摩書房 による書き下し文。 |
| 40 | 『山鹿語類』寛文六年序。尚、同書よりの要点抜粋が『聖教要録』である。 |
| 41 | 山本常朝口述、田代又左衛門陳基筆録。享保元年成立。 尚、引用は、『日本の思想 9 甲陽軍鑑・五輪書・葉隠集』 昭和44年1月 筑摩書房 による。 引用の内、「中野数馬年寄の時分……」は「聞書一 一三七」、「本気にては……」は「聞書一 一一四」に収録。 |
| 42 | 自我が自らの領域を可変的なものとして、屡々他者をも内包するものとして了解する場合があることに関しては、『新編・文学的体験とはどのようなものか』 平成25年 おうふう 「第一部 文学への旅立ち」、特に「一 「私」とは何か」 で扱った。参考にしていただければ幸いである。 |
| 43 | 『源平盛衰記』十七「蔵人取鷺事」に、「延喜ノ御宇、神泉苑ニ行幸アリ、池ノ汀ニ鷺ノ居タリケルヲ叡覧有テ、蔵人ヲ召テ、アノ鷺取テ参ラセヨト仰ケレバ、蔵人取ラントテ近付寄ケレバ、鷺羽ヅクロヒシテ既ニ立ントシケルヲ、宣旨ゾ、鷺マカリタツナト申ケレバ、飛去事ナクシテ被取テ、御前ヘ参リケリ、叡覧アリテ仰ケルハ、勅ニ随ヒ飛去ズシテ参ル條神妙也トテ、御宸筆ニテ鷺ノ羽ノ上ニ、汝鳥類ノ王タルベシト遊バシテ、札ヲ付テ放タレケレバ、宣旨蒙リタル鳥也トテ、人手ヲカクル事ナシ、」とある。 |
| 44 | 『ツァラトゥストラはこう言った』一八八三~四年成立。昭和四十二年四月、氷上英広訳、岩波文庫(上巻)。百九十七~百九十九頁。 |
| 45 | 世界の分析的認識を主たる目的として創られる作品の場合はこの例ではない。しかし、読者はそうした作品の主人公さえも或る特別な個として見てしまいがちである。例えば、内海文三(『浮雲』の主人公)や竹中時雄(『蒲団』の主人公)は、その近代人としての典型性を契機として読書人の間で〈選ばれた存在〉としての扱いを受けるのではないだろうか。 |